前代未聞!?〜レコーディングの生配信が音楽文化に与える影響について考察する

こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)

FacebookやTwitter経由で既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、先日レコーディングをしてきました。
僕が普段からお世話になっている作編曲家・稲毛謙介くんがプロデュースするユニット『Prospero』の新譜制作です。

ピアノ、ベース、ドラムの3パート同時録音。
しかも、同じ日のうちに同じスタジオでストリングスセクションも録音するという贅沢っぷり!笑
しかもしかも、見学者に30人くらい囲まれた状態での公開レコーディング!!
しかもしかもしかも、Youtubeでライブ配信するという世界的にも前代未聞なレコーディング!!!

いや〜、つい取り乱しましたが…
今回は、その公開レコーディングを振り返ってみたいと思います(^^)

作曲家・稲毛謙介とは?

稲毛謙介くんは、コーエーのサウンドチームの一員として、主に戦国無双シリーズの音楽制作を長年担当し、その後独立して株式会社テンペストスタジオを設立しました。
(詳しくはWikipedia

今は引っ張りだこのサウンドクリエイターですが、フリーランスとして独立をしたばかりの数年前はやっぱり色々と大変だったようで…
『Prospero』というユニットは、その頃にシンガー・吉田真理ちゃんと二人で結成したそうです。

また、僕が彼に初めて出会ったのもちょうどその頃でした。
ラッキーなことに彼の曲をベースで演奏させてもらえる機会を頂いたんですが、その曲を聴いた瞬間、もう一目惚れ(一耳惚れ?)でしたよ!(≧∇≦)
今でも多分その曲のベースライン弾けるはず。笑

向こうも僕のベースパフォーマンスを大変気に入っていただけたようで、相思相愛って感じ?笑

それ以来数年間に渡り、ことあるごとに彼の制作案件に参加させていただきました。
ゲーム音楽では、『進撃の巨人2 Final Batlle』『SAMURAI SPIRITS』などが有名です。


そして今回、『Prospero』の新譜を制作するにあたって、バンド演奏を生で録音したいという要望に応えさせていただきました。

現場を見れる機会は珍しい

いわゆるクライアントワークにおける音楽制作というのは、基本的にプロジェクト自体が制作過程にあることがほとんど。
なので、正式な発表がアナウンスされるまでは情報を公開してはいけないという暗黙のルールが(時には法的な契約として)あります。

分かりやすく表現すると、「今、〇〇というアニメのBGMをレコーディング中です〜!」って言えないってことですね。
〇〇という作品がアニメになることさえアナウンスされていないことも多く、要するにネタバレになっちゃうんです…

また、自分自身の作品の場合でも、ほとんどの音楽家は制作の過程を披露することは好まないでしょう。
やはり、綺麗に整った完成品になるまで隠しておきたいという心理がありますよね。
化粧や服装でばっちりキマった状態だけを見せたいと思うのは、表現者として自然なことです。

多くの音楽制作は、DTMでの作り込み、生演奏のレコーディング、その後の編集〜ミックス作業などを経て、作品は完成に近付きます。
作曲家にとって、曲がすっぴんの状態をファンに曝け出すのは、結構な勇気が必要なはず…

でも、ファンは逆にそのすっぴんを見たいんじゃないかなって思うんです。
だから、未完成の状態を見せてしまおうという稲毛くんの心意気って、凄いサービス精神ですよね!(^^)

作曲家の期待を超える演奏

とはいえ、今回の曲はどれもしっかり作り込まれていて、デモ音源が「このままでリリースできるんじゃないの!?」ってくらい流石のクオリティだったので、すでに化粧済み!って感じかな。

てことは今回のレコーディングは、イメージに合った服装を着せていく作業ってとこかな?
いや、実際に化粧と服装はどっちが先か分かりませんけどね…(^^;)

でも、せっかくならただ差し替えるでなく、奏者の解釈が反映されて自分の予想を超えるものが創り出されることを稲毛くんは期待しているはずです。

その期待は、事前に配布された譜面にも表れていました。
なんと、ほとんど真っ白…!
(下記ツイートの右側奥の譜面に注目)

ベースラインの指定もなく、コード進行と最低限のキメだけが書かれていているだけ(^^;)
そこは「デモ音源を参考にしてね!」ということなんでしょう。笑

音符通りに弾くという枠を最初っから外し、敢えて自由な解釈で演奏させてみるという、稲毛くんの器のデカさを僕は感じました。
しかも、見学者がいる前で。
しかも、ライブ配信で。

まあ、裏を返せばそれだけ信頼されているということで、嬉しいんですよね。
そして、その期待に3倍返しで応えるのが、レコーディングの醍醐味でしょう!

実際にどんなパフォーマンスを刻み込んだかは、文末のYoutube動画を観ていただくか、作品の完成をお待ちくださいね(^^)

見学者との交流

休憩中、見学に来られた方と少しだけ交流することができました。

見学者たちにも譜面は配られていたので、「あんな真っ白な譜面で、どうしてあんな演奏ができるんですか?」と聞かれました。
急だったので、「どうしてと言われても…なんとなく」みたいな、情けない回答しかできなかったのが悔しい…(TдT)

改めてカッコよく言えば、
20年くらいかけて、コード進行や世界中のリズムへの理解を深め、それを表現できる奏法を磨き続けてきたから
って感じでしょうか(キリッ)

1曲を1時間で録れるために、今までの経験を総動員してるんです。
(これはピカソの逸話で知ってる方も多いかもしれない理論ですね)

そういう奏者が集まり、そういう演奏が当たり前に起こっている現場を体験することは、見学者たちにとっても刺激になったはずです。

現場には夢がある

このように観ている人が、エンジニアとして/クリエイターとして/プレイヤーとして、実際の制作現場を疑似体験できる機会を今後も提供していきたいですね!
そうなれば、自分がいざその立場になったときに発揮できるパフォーマンスにも良い影響を与えると信じています。

また、現場には夢があることを、将来有望なミュージシャンに知ってほしいです。

現場では色んな人の想いが詰まっています。
プロデューサーの想い、作曲者の想い、演奏家の想い、エンジニアの想い…
みんなが1つのものを完成させるために協力して、全力を尽くします。

「音楽制作現場に携わりたい!」と思ってくれる人を増やすのも、僕たち現役ミュージシャンの大事な使命だと思っています。
そのために、こういう制作現場の一般見学や、Youtube配信が当たり前になってくれるといいな〜(^^)

こういうことを言うと、「俺が若い頃は右も左も分からずに現場で叩かれて、それでも苦労して乗り越えたんだ。甘えるな!」ってムキになる先輩たちがいるかもしれませんが…
無視して大丈夫!

最新の技術を駆使して無駄な車輪の再発明を防ぐのが、人間としてあるべき姿だと僕は思います。
そういう意味で、今回の公開レコーディングを企画した稲毛くんは本当に凄い!!

夢が叶った瞬間

前述の通り『Prospero』は、稲毛くんがまだまだ駆け出しの頃に結成したユニット。
当時からDTMを駆使してめっちゃお洒落でカッコいいサウンドを紡ぎ出していたけど、「いつか生演奏やストリングスをレコーディングしたい!」という夢があったそうです。

その夢が数年を経て、ついに実現!!!

その実現の過程で、僕が少しでも力になれたことが、演奏家として以上に友人として誇りに思います(^^)

ライブ配信のアーカイブ

ということで…
公開レコーディングの様子をどうぞご覧ください!
バンド録音だけで5時間、ストリングス録音も含めると10時間ありますが…(^^;)
※説明文を展開してもらうと、各曲の開始時間が確認できます。

作編曲:稲毛謙介
ピアノ:中林万里子
ドラム:岡島俊治
ベース:棚橋俊幸


制作の過程そのものをコンテンツにする時代を、これから皆で一緒に楽しみましょうね〜(≧∇≦)

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