音響技術の進歩によるデメリットから学ぼう〜プリ・プロダクションの重要性〜

こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)

あなたは、プリプロという言葉を聞いたことはありますか?
プリ・プロダクション(Pre-Production)の略で、主に制作現場で使われる言葉です。

今回は、このへんについて語りたいと思います。

プロダクションとは

英単語としてのプロダクション(Production)とは、そのまま制作とか創作という意味。
ちなみに、プロダクト(Product)は出来上がりの品、プロデューサー(Producer)は制作・創作する人のこと。

そして、Pre-というのは、『〜の前に』という意味をもつ接頭辞で、対になる言葉はPost-(『〜の後に』)。

制作現場の一番中心の作業をプロダクションとするならば、その前に準備として行うのがプリ・プロダクションであり、その後に処理として行うのがポスト・プロダクション

今回は、プロダクションをレコーディングと仮定しましょう。

その上で、プリ・プロダクション/レコーディング当日/ポスト・プロダクションと分けて、必要な工程をリストアップしてみます。
(抜けてたらスミマセン💦)

プリ・プロダクションの内容

・コンセプト決め
・作詞&作曲&編曲
・デモ音源作成
・譜面作成
・メンバー確保
・各々個人練習
・楽器のメンテナンス&音色作り
・機材選定&動作チェック
・バンドリハーサル(無いことも)
・レコーディング用DAWデータ作成

レコーディング当日の内容

・楽器やマイクなどの機材セッティング
・サウンドチェック
・レコーディング本番&ディレクション
・オーバーダブ
・仮ミックス

ポスト・プロダクションの内容

・録音データのテイク選定&編集
・楽器毎のエフェクト処理(EQやコンプなど)
・ミックス
・マスタリング
・パッケージング

どれが重要?

さて、プリ・プロダクション/レコーディング当日/ポスト・プロダクションの中でどれが重要だと思いますか?

これは僕の個人的な考えですが…
プリ・プロダクション>レコーディング当日>ポスト・プロダクション
の順番です。

要するに、備えあれば憂いなし!ってやつですね👍

引っ越しに喩える

引っ越しをしたことがある方なら分かっていただけると思いますが…
当日までに準備しておくこととして、

・大量のダンボール箱を確保する
・『和室用』『洋室用』『寝室用』みたいにカテゴリ毎に仕分けしておく
・家具は中身を全部出しておく
・割れやすいものなら新聞紙に包んでおく

などなど、色々ありますよね。

引っ越し当日まで、もし何も準備しなかったと想像すると…
当日は地獄絵図でしょう。笑
業者にも呆れられてしまうかもしれません…(TдT)

また、全く整理されていない状態で新しい家に運び込まれた荷物を、翌日開封して途方に暮れるでしょう…
「どの箱に何が入ってるのか分からん…」みたいな。笑

音楽の企画(コンサートやレコーディングなど)も同様。
事前にやるべきことに抜けや漏れがあると、当日(&後日)が大変なことになります!

技術の進歩が生むデメリット

最近はハードウェア・ソフトウェア両面の技術の進歩により、レコーディング後の編集によって色んなことが可能になってきました。
違うテイクを繋げたり、波形を壊さずに発音タイミングを調節したり、ピッチを修正できたりします。

昔に比べてめちゃくちゃ便利になった反面、デメリットもあります。

というのも…僕の個人的な見解として、
「ここのフレーズまだ繋げて弾けないけど、別々で録って後で繋げればいいよね」
「とりあえず沢山のテイクを録っといて、なんか問題あったら編集で何とかしよう」
みたいな現場が増えてきているように感じています。

これは日々の練習や入念なリハーサル(=プリプロ)を怠った結果、当日に無駄な時間がかかってしまうケース。

さらにこのような、その瞬間の甘えが後日10倍くらいの苦労になって返ってきます。
ほとんどのプロジェクトはチームで協力して成功させるものなので、手前で手を抜くと皺寄せが後ろに来ます。
ポスト・プロダクションで苦労するのは、主にサウンド・エンジニアの方達…(TдT)

レコーディング当日の段取りが悪いと、後々のテイク選びも編集も大変。
もちろん、ミックスやマスタリングにも悪影響です。

その結果、
・納期に間に合わない
・クオリティを妥協するしかない
・納期もクオリティも守るためには、もっとコストをかけなくてはいけない
などの状況に追い込まれます。

現代のようなレコーディング技術に頼らずとも、過去に多くの名曲・名演奏を残してきた偉大なミュージシャン達は、本番は1発録りでOK!になるように、プリプロを大事にしてきたはずだと確信しています。
(逆を言えば、そういう人達しか良い音源を残せなかった)

また、そういう作品こそが、流行に左右せず、何十年経っても淘汰されず、ずっと語り継がれていくものになっているはずです。

準備万端で臨めば後処理が減る

各自が準備万端の状態で当日を迎え、少ないテイクで期待以上のクオリティを叩き出すこと。
さらに、良い演奏&良い録り音のおかげで編集やミックスも最小限でバッチリのサウンド。

これが、レコーディング現場の一番の理想ですね!

僕が尊敬するイチロー選手は、『準備とは言い訳を排除すること』という名言を残しています。

ここのフレーズが難しいから…
譜面を読むのが苦手だから…
機材の調子が悪いから…
今日は体調が優れないから…

こういった言い訳で、プロダクションに関わる大切なチームの仲間に迷惑をかけることのないように、日頃からプリプロを意識して取り組んでいきましょう!(^^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。