こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)
あなたはWin-Winという言葉を聞いたことがありますか?
ビジネス用語として、最近よく使われていますよね。
Win-Winとは(Wikipedia)
取引が行われる際に交渉をしている双方が利益を得られるようになるという形態。
実は、音楽のアンサンブルにおいても、Win-Winを考えることが効果的なんです。
音楽のWin-Winとは、音の住み分けを考えることだと思います。
住み分けとは(Weblio辞書)
同じような領域や場所などで、直接的に対立したり競合したりしないようにして、お互いの利益をある程度まで守りながら、共存して行くこと。
音楽的に翻訳すると、共演者が活躍できるスペースを作りつつ、自分に与えられたスペースを埋める演奏をするってことでしょう。
もっと乱暴に言うと、お互いの演奏の邪魔するなよ!ってこと。笑
これを意識することで、各パートを最大限に活かすことができ、結果的にアンサンブル単位のパフォーマンスが劇的に向上します。
「な〜んか皆と噛み合わないんだよな〜…」と感じたことがある方は、是非参考にしてみてください(^^)
今回は、縦横2つの軸でスペースを作ることに着目しますね(^^)
もくじ
縦軸(周波数軸)=音域
ご存知の通り、楽器によって奏でられる音域が違います。
(最も広くカバーする最強の楽器はピアノですね!)
演奏可能という意味だけでなく、その楽器が一番映える音域もありますよね。
アンサンブルで大事なのは、今聴かせたい楽器の得意な音域を邪魔しないってこと。
ギターやキーボードなら、音色を変えることも有効でしょう。
音色を変えるということは周波数分布を変えるということなので、広い意味で音域を調節することになると僕は考えています。
横軸(時間軸)=タイミング
とはいえ、アンサンブルの中に音域が近い楽器が複数存在することも多いですよね。
そんなときは、も1つの軸で考えましょう。
横軸(=時間軸)をズラす、つまり同じタイミングで発音しないこと。
日常的な会話で、お互いが同時に言いたいことを言っていては意思疎通できないですよね…(^^;)
それと同様に、自分と同じ音域をカバーする楽器が活躍してる時にはなるべく弾かないようにして、休符のタイミングで優しく埋めてあげましょう(^^)
活用例
例えば、歌モノで伴奏する時にはメロディの音域とリズムに集中しましょう。
サビ前に、バンドブレイクから歌のピックアップ!みたいな曲は多いですよね。
ここでもし、スネアがメインのフィルを入れてしまうと、完全に歌をかき消してしまいます。
音域的にもタイミング的にも好ましくない例です。
音域的に歌を活かすのであれば、フィルは例えばタムやバスドラをメインにするか、ベースに任せましょう。
タイミング的に歌を活かすのであれば、むしろ何もフィルを入れないという方法もあります。
ちょっと余談ですが、個人的に一番好きなドラムのフィルは、Whitney Houston『I Will Always Love You』の転調前。(Youtube動画の3分13秒)
たった1音で、音域的にもタイミング的にも最高の演出です!
住み分けを判断する
縦軸と横軸、両方から効果的に住み分けを考えるためには、お互いの演奏を聴くことが重要です。
特にアドリブで展開されていく演奏では、自分以外のパートをしっかり聴いていないと、住み分けのポイントを見つけるのはめっちゃ難しいです。
アドリブ演奏は会話に似ていると言われるのは、こういう理由からでしょう。
皆が各々、言いたいことを言いたいタイミングで話し続けてるだけでは、良い会話とは言えませんよね…
聴くことの重要性についての関連記事はこちら▼
演奏を変えるためには、まず聴き方を変えるべし!〜全ての音楽力の基礎〜
住み分けが全てではない
もちろんアンサンブルの問題が、ここに書いたことだけで全て解決するわけではありません。
住み分けを必要としない例もあります。
ユニゾンのフレーズがある場合は、タイミングを揃えるべきでしょう。
音に厚みを出したい場合は、さらに同じ音域にするでしょう。
大事なのは、そこにちゃんと意図があるかどうかです!(^^)
まとめ
ということで、アンサンブルの中で今一番聴かせたいパートはどこなのかを把握するのがめっちゃ大切です。
さらに、自分が今一番活躍するべき状態のときでも、自分のために伴奏してくれる共演者の魅力を最大限に引き出すことで、自分の演奏がもっと映えます。
こういう観点から僕は、Miles Davisのアドリブが大好きです。
ソロを吹きながら、ピアニストやドラマーの伴奏が映えるようにスペースを作ってます。
矛盾する表現ですが、アンサンブル全てが彼のソロのように聴こえるんですよね〜(^^)
それでは、あなたも是非、縦軸と横軸のスペースを作ることを意識してみてくださいね!(^^)
関連記事▼
音量が小さくても聴こえる!? 〜アンプに頼らずに自分の音を届けるテクニック〜 アンサンブルにおけるカウントの重要性について