こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)
あなたは初心者の頃、どんな練習をしていましたか?
僕は小学校の頃に、近所のピアノ教室に通わされたのがたぶん最初の音楽体験。
周りのみんなと同じように、バイエルから始まりました。
でも、あまり楽しくなかったんでしょう…気が向かず、すぐ辞めてしまいました…(^^;)
その後、中学生か高校生の頃に、実家に転がっていたアコースティックギターを弾いてみました。
この時は独学でしたが、やはり家に眠っていたギター用の譜面を見て『禁じられた遊び』を練習していました。
(原曲を聴いたこともないのに!)
そしてその後、セーハという技術を使ってFのコードを弾くことができなくて、挫折しました…
よくあるパターンですね〜(^^;)
ミュージシャンとなった今、当時を振り返ると真面目にやっておけばよかったな〜と後悔してます。笑
でも今だから言えることがあります。
音楽初心者に不要なもの。
それは譜面を使う練習!
僕の考えでは、譜面を使う練習は、音楽をある程度理解し始めた中級者になってからで十分。
その意図を少しずつお伝えしますね!(^^)
もくじ
減点法で評価する音楽
日本の音楽教育の傾向として、まず最初に譜面を読ませるというのがありますよね。
譜面通りに弾けたら合格、音符が1つでも違ったら次の曲を練習させてくれない…と今のピアノ教室に通っている方からも聞きます。
音楽に限らず、従来の日本の教育は減点法。
テストは100点満点中、何点間違えたかで評価されます。
また、指示された通りに答えを導き出すことを正義として教え込まれます。
でも、芸術としての音楽の本質は創造力なので、得点式のはずです。
本来、間違いという概念は存在せず、全ては個性による違い。
音楽を始めて間もない初心者なのに、間違いばかり指摘されたらモチベーションがあがらないのは目に見えてますよね〜。
また、減点法による学校教育の刷り込みは強烈で、たとえ独学で勉強しようと思っても、間違えることによる自己否定のループから抜け出すのはかなり大変です。
でもね、初心者の頃からいきなり上手くできるわけないんですよ。
音が違っていても自信満々に奏でられるようになること、そしてそれが認められるのが音楽の世界だと認識することが一番大事!
そして指導者は、初心者の全てを受け止めてあげることが大事なんです。
譜面主義によって見失われがちなもの
譜面に書かれている音符を弾くというのは、その行為だけ見れば、ただの作業です。
条件:このボタンを押せばドの音が鳴る
命令:このボタンを押せ
実行:そのボタンを押す
結果:ドの音が鳴る
機械に任せれば100点満点を取ってくれるでしょう。
でも、それでは音楽とは(芸術とは)呼べないことは、感覚的に理解していただけると思います。
この作業に欠けているのは、奏者の意思です。
奏者の意思はどこから湧いてくるのか?
それは経験で磨かれる感性です。
文字を読めない赤ん坊にとって、読書することと、音で遊ぶのと、どちらが感性を養うと思いますか?
答えは明確ですよね。
読書で仮想現実の世界を楽しめる感性を持つのは、小中学生からで十分でしょう。
本来の音楽は譜面の存在を知らなくても、耳で感じることができます。
陽気な音楽であれば、身体全体で楽しめますね(^^)
だから、譜面(視覚的情報)より先に、音(聴覚的情報)と動き(肉体的情報)を感じさせる経験を、初心者には積ませるべきだと僕は思うんですよね〜。
感性を養うことなく、機械のように譜面通り弾くことができるようになった先には、どんな世界が待ち受けているでしょうか?
そこには「難しいフレーズをどれだけ速く正確に弾けるか」を評価される競争社会です。
(その世界で生きたいという方を否定するわけではありません。全てはあなたの選択です。)
音楽年齢1歳児がすべきこと
初心者に譜面を読ませるのは、まだ何も喋れない赤ん坊に読書させるようなものです。
人生初心者である赤ん坊の仕事は、言葉にならない叫び声をあげて、意思を主張することでしょう。
音楽初心者も同様に、もっとわがままに自己主張すればいいんです。
楽器の構造を知らなくても、音が出ることを純粋に喜べばいいんです。
理論なんて分からなくても、全力で楽しんだり苦しんだりすればいいんです。
上級者たちに、おんぶに抱っこでいいんです。
迷惑をかけることを恐れてはいけません。
その代わり、自分が上級者になったときに初心者から迷惑をかけられても、嫌な顔せず全て受け止めてあげましょう(^^)
みんなそうやって育つのが自然の摂理だと僕は思っています。
リトミック
ところで、リトミックという教育法を聞いたことありますか?
Wikipedia先生によると
リトミックは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、新教育運動の絶頂期に、スイスの音楽教育家で作曲家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズが開発した音楽教育の手法。
当時、ハンブルクなどを中心に、国語や美術、体育、音楽の教育を、訓練・調教ではなく、子ども本人が自ら進んで学び、その感覚を体感的に身に着けていくための情操教育、芸術教育が叫ばれ、ダルクローズは、そのために楽器の演奏訓練を早期から闇雲にやらせるのではなく、音を聞き、それを感じ、理解し、その上で楽器に触ってみる、音を組み合わせて音楽を作ることの楽しさを身体全体で味わわせ、その喜びの中で、音を出し、奏で、そこから旋律を作っていくことへの興味と音感を育んでいこうとした。
まさに、前述の減点法や譜面主義によって生じる問題の、解決法としてドンピシャ!!
最近では日本でも取り入れられてきたので、子供に対する音楽教育はかなり改善されてきたと思います。
でも、リトミックといえば子供のためのもの、と思い込んでいませんか?
僕は、年齢関係なく音楽初心者にとって重要な教育法だと思います。
でも、大人のためのリトミックというのは、僕が知る限り現代では聞いたことありません。
音楽年齢と実年齢のギャップ
大人の音楽教育で、リトミックが浸透しない理由は何でしょうか?
これは完全に僕の推測ですが…
大人は恥ずかしいんです。
音楽人生は1歳でも、実年齢は20歳や30歳を超えている。
このギャップが問題です。
本当は1歳相応の音楽教育(リトミック)を受けるのが一番効果的なんですが、「じゃあまずは,音楽を聴きながら踊ってみましょう〜」っていうレベルから始めるのが、恥ずかしんです。
「そんな子供みたいなことできるか!」って感じですよね〜(^^;)
だから背伸びして、「(大人なら)やっぱり譜面を読めないとね…」ってなっちゃうんですよね…
耳と身体で感じていないのに…!
大人になったからこそ芽生える恥や見栄という概念が、成長を邪魔するんです。
子供には恥という概念が無いから、成長が速いんです。
でも、初心者は間違えて当たり前、恥をかいて当たり前。
だからこそ、上級者たちは、初心者が安心して恥をかける環境を用意する必要があるんです。
物事には順番がある
初心者のうちは、耳と身体で音楽を感じることから始める。
楽器を闇雲に触ってみて、いろんな音が出ることに感動する。
そのあと、「もっと上手くなりたい!もっといろんなことを知りたい!」と思う時期が必ず来ます。
譜面を使う練習はそれからで十分!
そこからの道のりは果てしないですが、他者から強いられたのではなく、自分で選んだ道なので納得してるはず。
最初はタブ譜でもいいでしょう。
五線譜を読めるようになると一気に世界が広がるでしょう。
そして、いずれ譜面を卒業すれば、初心者の頃に磨いた感性を最大限に発揮できるかもしれません(^^)
タブ譜から卒業しよう!!〜無限に広がる音楽の世界へ〜 暗譜ができるようになる話 〜桃太郎編〜
最後に
初心者の皆さんへ。
あなたは音楽人生における赤ん坊だということを忘れないでください。
恥ずかしがらず堂々と赤ん坊らしく振る舞いましょう!
中級者〜上級者の皆さんへ。
あなたはもしかしたら初心者の頃から間違えることを否定されて、辛い気持ちで育ってきたかもしれません。
でも、「俺も苦労したからお前も苦労しろ」と言ってしまったら、音楽社会にも少子化が訪れ、いずれ滅びてしまうでしょう。
未来を担う初心者達にそんな辛い気持ちを味わわせることがないよう、この負の連鎖を断ち切る勇気を出しましょう!
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