日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜アドリブ構築編〜

日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜アドリブ構築編〜

こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)

前回、日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜リズム編〜 をお届けして大反響をいただきました!
日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜リズム編〜日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜リズム編〜

今回は、単語レベルの話から文章レベルの話にシフトして、もうちょっと抽象的な観点でお話しますね。
言葉における文章やスピーチの組み立て方と、音楽におけるフレーズやアドリブの組み立て方との関係性です。

キーワードは集中力

日本語での会話の特徴

日本語での会話は、結論を最後に述べる傾向にあります。

例1:私は、母と、東京で、明日、食事をします。
例2:人民の、人民による、人民のための、政治

最後まで聞かないと、肝心の『何がしたいか』が分かりませんよね。
だから、日本語で会話するときには、話し手も聞き手も、集中力のピークは終盤に向かって上がっていくと思われます。

また、日本語でのスピーチを聞くと、「結局何が言いたいのか最後まで分からない」ってこと、たまにありますよね…
いつ結論を言うかが明確でないため、話し手と聞き手の集中力をシンクロさせるのが難しいのだと思います。

そのせいか、日本語でのコミュニケーションでは、受け手側が空気を読むとか行間を読むというテクニックが必要になる場面が多いです。
皆まで言わずに察してくれよ…って感じですかね(^^;)

英会話の特徴

英語での会話は、結論を最初に述べる傾向があります。

例1:I will have dinner, tomorrow, in Tokyo, with my mother.
例2:Government, of the people, by the people, for the people

目的を先に言って、補足説明するように次々と後ろに付け足していく感じですね。
だから、英語で会話するときには、話し手も聞き手も、集中力は序盤でピークを迎え、徐々に下がっていくと思われます。

また、英語のスピーチを聞くと

今日伝えたいことは、〇〇です。
(中略)
結論として、冒頭に述べた〇〇になります。

みたいな感じで、全体的な構成の中で冒頭と締め括りの2回、分かりやすく結論を言います
そのため聞き手にとっても、どこで集中力を高めたらいいのかが明確です。

日本語でもスピーチが上手い人は、この英会話的特徴を取り入れているはずです。
(洋画吹替版みたいな話し方になって、日常会話では使わないような倒置法を使ったりしますよね)

このように、日本語と英語の文法的な違いによる、集中力の変動が生まれます。

もしかしたらこの違いが、国民性にも影響を与えているかもしれませんが…それは専門家に任せましょう(^^;)
ここでは音楽に関連付けていきます。

アドリブ構築に応用する

もうお気付きかもしれませんが、アメリカ発祥のジャズにおけるアドリブは、英語脳で組み立てるほうがルーツに近い演奏ができると言えるでしょう。
「そんなこと言われても…英語…話せないよう(TдT)」という方は、前述の集中力のピークを意識してみてください。

日本語脳でアドリブを構築してしまうと、間違わないように慎重に選んだフレーズを弾き続け、結論を後回しにするような演奏になってしまいがち。
その結果、聴き手には「今のアドリブ、何がしたかったの…?」と思われてしまう可能性が高くなります。

英語脳でアドリブをとる場合は、弾きたいフレーズは先に弾いちゃう!音程とか外れてても気にしない!
で、そのフレーズに説得力を持たせるために、モチーフを使い回して展開しましょう(※)。
そうすると、最初に音程が外れていても、なんかカッコよく聞こえます。笑
その結果、聴き手には「ああ、最初のフレーズを聴かせたかったんだな!」と感じてもらえるはず。

※モチーフの展開については、こちらの記事を参照ください。
アドリブのネタが湯水のように湧いてくる魔法のテクニック難しい音楽理論は不要! アドリブのネタが湯水のように湧いてくる魔法のテクニック

まとめ

前回お伝えした単語レベルでの違いに加え、文章レベルので違いに焦点を当てた今回の記事でした。

音楽は、地域や国によって色んな形に発展してきました。
地域によって異なるということは、言語だけでなく、気候、食事、思想、慣習、信仰など、様々な要素が影響しているということ。
それらに優劣はなく、それぞれが独特で魅力的な音楽です。

まずは音楽で繋がり、音楽をきっかけにして、異国の文化に対する興味関心を深めていただけると嬉しいです(^^)

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