こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)
合奏を始める前、あなたはカウントにどれくらい集中してますか?
カウントっていうのは、ロックやポップスのドラマーがスティックを曲のテンポで叩きながら「ワン、ツー、ワンツースリーフォー」ってやつ。
アンサンブルで全員一緒に曲を弾き始める時に、全員の出だしが揃うようにするためですね。
あのカウント…実はめっちゃ大事なんですよ〜!
今回はカウントに対する僕の拘りをお話しますね(^^)
もくじ
カウントのテンポと曲中のテンポの関係
もしかしたら経験があるかもしれませんが、カウントを出して皆でせーのと始めたはいいけど、カウントの時とテンポが違うってこと、ありませんか?
また、ジャズシンガーのセッション的なバックバンドで演奏する場合に多いのが、シンガーからカウントでテンポを指示されて、バンドが入るっているパターン。
そのときに意外に多くて困るのが、曲が始まったら「イメージのテンポと違う」とシンガーから指摘されることですね…(^^;)
この2つに共通する問題は、今から演奏する曲のテンポがイメージできていないことです。
カウントの重要性
これを解決するためには、演奏はカウントから始まっていることを意識する必要があります。
カウント中というのは、「今からこの曲はこのテンポで演奏しますよ」というイメージを共有する時間。
短距離走でいうところの「位置について→ヨーイ(→ドン!)」や、走り幅跳びの助走みたいなもんです。
これらの準備を怠って、いきなりスタートしても良い記録は残せないでしょう。
音楽も一緒。
1音目を出す前から、演奏は始まっているんです。
1,カウントを出す人が、カウントを出す前に脳内で演奏イメージを作る
▼
2,カウントを出して、共演者とそのイメージを共有する
▼
3,共演者全員が同じイメージを持った状態で1音目を出す
ってのが理想の形になります。
「イメージ通りのテンポじゃない」という問題は、この3つのステップのどこか(あるいは全部)が欠けているといえるでしょう。
ジャンルによってカウントの仕方を変える
カウントは演奏イメージを共有するための時間。
ということは、演奏するジャンルが変われば、カウントの仕方も変えたいですよね。
冒頭のようにロックやポップスのバンドだとドラマーが出すのが一般的です。
ドラマーが一番テンポに対する責任が大きいことに加え、爆音が前提の音響の中で、スティックの音が響きやすいという理由もあるでしょう。
ジャズだと、イントロを牽引する人(ピアニストやギタリスト)がカウントすることも多いです。
ドラマーのようにスティックを持っているわけではないので、指パッチンで代用しますね。
そのとき、スイングジャズでは2拍4拍で指を鳴らしながら口でカウントすることが多いです。
これは、スイングジャズの演奏イメージを的確に共有できる方法だと僕は思います。
また、ジャンルが一緒でも、スティックの叩き方や指の鳴らし方、「ワンツースリーフォー」の言い方によってもガラッと印象が変わります。
一流の演奏家が出すカウントを聴くと、その時点でグルーヴしてたり、フィールが掴めたりします。
いや〜、奥が深いですね!
伝統邦楽の場合
さて、これは僕の経験談です。
大学生の頃はジャズばかり弾いていたので、誰かがカウントしてから曲を弾き始めるのが当たり前でした。
カウントがないとすれば、ピアノやギターやドラムが1人でイントロを出す場合。
そんな僕が、日本の伝統楽器である尺八とお箏と一緒に演奏する機会をいただきました。
(20年前くらいですが、そのグループはまだ続いています!トップ画像は2003年にベルリンで演奏した時のもの)
初めてのリハーサル、初めての和楽器との共演の時、緊張しながら僕はカウントを待ちました…
尺八奏者が「じゃ行きまーす」と言った後、楽器を構えて呼吸して、首を縦に1回だけ振って…旋律を吹き始めたんです!
その動きに合わせて、お箏の方も当然のように伴奏を始めました。
僕は「え!?カウントは!?」と混乱していました(TдT)
僕が入れなかったので仕方なく演奏を止めて、「あ〜、私達、カウントはしないの」と平気な顔で教えてくれました。
心の中で「知らんがな!」と叫びながらも、今までカウントに頼りすぎてたな〜と反省もしました(^^;)
聴いたこともない初見の曲なら無理かもしれませんが、音源も譜面も事前に確認しておいた曲だったので、演奏イメージはできていました。
前述の理想の形の2つ目(カウントを出すステップ)が無いパターンですね!
日本人の空気を読む感性と行間を読む技術が、こういう伝統邦楽でも活かされているんだと感心しました。
まとめ:イメージの共有が大事
ということで、カウントについての大事な捉え方について僕の考えをお話しました。
目的である演奏イメージの共有ができていれば、カウントが必要じゃない場合があることも知っていただけたと思います。
出したカウントと違うテンポで演奏してしまうことに違和感を覚えている方は、ぜひ意識してみてくださいね!(^^)
番外編:仕方ないときもある
とはいえ、カウントに囚われすぎないことも大切です。
本番中に緊張していると、カウントをいつもより速く(or遅く)出してしまうこともあるでしょう。
そういうときは、演奏が始まってからでもいいので皆と意思疎通をして、当初のイメージ通りのテンポにするのも1つの手です。
その他のメンバーは、「出されたテンポと違うじゃね〜か」と大人気ないことは言わず、器が大きいところを見せつけてあげましょう(^^)
全てはアンサンブルのために!
全ては聴いてくれるお客様のために!