あなたは大丈夫?チューナーを過信することで陥る音楽家にとって致命的なワナ

あなたはチューナーを信じますか?

こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)

あなたは、楽器の音程をどうやってチューニングしますか?

多くの方はチューナーを使うでしょう。
まぁ、ピアノは流石に調律師にお願いすると思いますが…(^^;)

さて今回は、あなたが使っているチューナーは正しくないかもしれないという、怖〜い話(?)です。

もくじ

ハーモニクス・チューニング

僕はベースを始めてすぐに、ハーモニクス・チューニングという調弦方法を教わりました。
まず、その手順を紹介しますね。

最初に、G線を調弦します。(ここはチューナーを使ったり、ピアノの音を聴いて合わせます)

次に、G線の1/3の場所で鳴るハーモニクス(3倍音=D)と、D線の1/4の場所で鳴るハーモニクス(4倍音=D)を合わせます。

次に、D線の1/3の場所で鳴るハーモニクス(3倍音=A)と、A線の1/4の場所で鳴るハーモニクス(4倍音=A)を合わせます。

最後に、A線の1/3の場所で鳴るハーモニクス(3倍音=E)と、E線の1/4の場所で鳴るハーモニクス(4倍音=E)を合わせます。

以上!

3倍音と4倍音が鳴る場所は、各弦につき2箇所(ブリッジ寄りとネック寄り)にありますが、ウッドベースの場合はブリッジ寄り、エレキベースの場合はネック寄りで鳴らすことをオススメします(^^)

また、音程の高低を合わせようとすると結構難しいです。
2音の波長がぶつかった時に生じるうねりに集中するのがコツ。
波長が合っていないときは、うねりが大きくなります。
波長がピッタリ合うと、うねりが消えます。
つまり、うねりを消すようにペグを回していきます。

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なんだ…? この違和感は…

ある日、チューナーを通したまま、いつもどおりこの方法でチューニング。
そこで違和感を覚えました。

「あれ? チューナーと合ってない…(ToT)」

G線はチューナーに合わせたはずなのに、E線がチューナーとほんの少しだけ合わないんです。
最初は気にしないでおこうと思いましたが(笑)、日に日に疑問は膨らんでいきました。

自分でいろいろ調べたり、詳しそうな人に質問したりして分かったのは、デジタル・チューナーは平均律をもとにして設計されていること
そして、それが違和感の原因かもしれないということ。

※音律の話は、めっちゃ数学的&理論的になるので、ここでは割愛します。
僕自身も理解しきれてない部分が多いです(^^;)

また、音律に加え、ハーモニクス・チューニングで用いる倍音というのもキーワードになりそうです。

倍音についての簡単な説明

自然界でも人工的でも、どんな音も基音倍音で構成されます。

楽器によって音色が違うのは、それぞれの楽器構造が生み出す倍音成分が違うからです。

基本的には、整数次倍音を生み出す楽器(弦楽器や管楽器など)からは音程を感じることができ、非整数次倍音を生み出す楽器(打楽器)からは音程を感じることができません。

余談ですが、弦楽器や管楽器のアタック音をミュートして、サステインだけで何の楽器かを聴き分けるのは難しいんですよ〜。
機会があれば、ぜひ試してみてくださいね(^^)

※倍音についての詳しい説明も、ここでは割愛します。

音律と倍音の関係

ハーモニクス・チューニングは、異なる弦が共有する倍音同士にうねりが生じないようにする調弦方法。

どうやらこれは、純正律に従っていることになるようです。
でも、デジタル・チューナーは平均律…

平均律とは一般的に、1オクターブを12音に均等に分けた音律。
平均律において、周波数が整数比になるのはオクターブだけです。

ここに、ズレが生じるわけですね。
あ〜、原因が分かってスッキリ!\(^o^)/

でも、じゃあこのズレを修正することって…できるの?

対処法

純正律は、ある和音の響きはとても綺麗ですが、音の組み合わせによっては全然綺麗に聴こえないため移調や転調が困難です。

平均律は、どの調性でも響きが変わりませんが、その代わりに全てが少しずつズレている響きになります。

つまり結論から言って、どちらの音律を使っても何かしら妥協しなきゃいけないんですね。

ウッドベースのとって救いの手は、フレットがないこと。
だから時には平均律に縛られない音程を弾くこともできます。
(ただピッチが悪いだけってときも…もちろんあります!笑)

他にもフレットがない弦楽器は沢山ありますし、管楽器でも微調整は可能です。
オーケストラの演奏では、楽曲に彩りを加えるために、少し高めや低めの音程を全員で意図的に弾くこともあるようです。

また、フレットがある楽器にも使われるビブラートチョーキングという音程を揺らす奏法は、音楽表現としてだけではなく、心地良く合い続けることが難しい音程を、良い意味で誤魔化すために生まれたのかもしれないと、僕は推測します。

ちなみに、この観点から、開放弦には次の2つの短所があります。
■音程が固定しているため、純正律的アプローチのための微調整ができない
■ビブラートをかけることができない

(開放弦の長所は、押弦しなくていいから弾くのが楽チンなところ✌)

最後に…

ぶっちゃけ僕もチューナーは使います。笑
でも、最終的に信じるのは自分の耳。
いざというときに自分の耳を信じれるように、日々訓練するんです。

あと、今回はあまり触れませんでしたが、音律の話をすると論争になることが多いですね…(^^;)

どちらも人間が作り出したデジタルな数字という概念を使っている時点で、全てを表すことは不可能だと個人的には思っています。
本当に解決したかったら、数字の定義から見直さないといけないと思ってますが、現代でそれをやろうとする人はいないでしょう。

数字では表すことができない感性に従うのが一番心地良いと思います。
もっというと、心地良いだけが音楽表現ではなく、意図的に不協和音を使うことも大いにあり得るでしょう。

ただ、ここでお話したことを知った上で、あなた自身で考えることにより、音楽に対するあなたの理解が深まってくれると僕は嬉しいです!(^^)

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