こんにちは!
二刀流ベーシスト・たーなーです(^^)
ご存知のように、僕は名古屋大学卒業後、2002年にボストンのバークリー音楽大学に留学しました。
でも実は、大学3年生の後、4年生になる前(2000年)に大学を1年間休学して、語学留学としてニューヨークに行きました。
それが僕にとって初めての海外生活。
今回は、その頃に考えていたことを振り返りながらまとめたいと思います。
日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜リズム編〜 日本語脳と英語脳による音楽表現の違い 〜アドリブ構築編〜
もくじ
日本とアメリカの音楽文化の違い
※アメリカは広すぎるので、ここでは僕が住んだことのあるニューヨークとボストンに限った話かも知れませんが、ご理解ください。
まず、なぜ最初にニューヨークを選んだかというと…やはりジャズの本場だから!
語学学校に通いながら、空いた時間は音楽の経験値を少しでも得るために、ジャズだけでなくいろんなジャンルの音楽に多く触れました。
(トップ画像はそのときに一流のミュージシャン達と一緒に撮った写真)
ブルー・ノートやヴィレッジ・バンガードなどの名門ジャズクラブ、ニッティング・ファクトリーというアンダーグラウンドなライブハウス、ストリート・パフォーマンスや、地下鉄の構内&車内でのパフォーマンス…
音楽がこんな当たり前に近くにある生活なんだ!と感動しました。
もっというと音楽だけでなく、日本にいた頃には味わったことのない、様々な文化の違いを体験しました。
音楽という文化はその土地の色んな要素(風土、気候、習慣、宗教など)と影響し合って発展してきたものだということを、住んでみて実感しました。
音楽文化と外食産業の関係性
日本とアメリカの音楽文化の違いについて、僕が当時考察したことの1つは、外食産業との関係。
日本の多くのジャズクラブでは、演奏が始まるとお客さんは食事を辞め、静かにステージを見つめます。
できるだけ物音を立てないように気を付けます。
これは基本的に暗黙の了解ですが、お店によっては演奏中の会話が禁止されていることもあります。
一方、ニューヨークの多くのジャズクラブでは、食事をしながら演奏を聴くのが当たり前なので、演奏中でも平気で食べるし、平気で会話します。
古いジャズのライブ録音での名盤も、お客さんの話し声や食器の音が入っていることが多いですよね(^^)
ここに何か秘密があるんじゃないかと僕は気になって、いろいろ考察しました。
予め断っておきますが、考察というか…ここからは完全に僕の妄想です!笑
妄想だということが分かりやすいように、お伽噺テイストでお届けしますね。
では、たーなーのお伽噺〜
はじまり〜はじまり〜(^^)
お伽噺『飯屋』
むかしむかし、あるところに、お爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんとお婆さんは、飯屋を営んでいましたが、もっと沢山のお客さんに来てもらいたいと意見を出し合いました。
お爺さんはこう言いました。
「お客さんにもっと質の高い時間を楽しんでもらえるように、食事以外の娯楽を追加しよう!」
お婆さんはこう言いました。
「お客さんにもっと質の高い食事を楽しんでもらえるように、食材や調理法をもっと追求しよう!」
意見が対立した2人は、それぞれが異なる方針を貫き、別々の飯屋を営むことにしました。
お爺さんの飯屋は、歌や踊りを披露する舞台を用意して、お客さんは食事をしながら派手な演目を楽しみました。
お婆さんの飯屋は、最高級の食事を存分に楽しんでいただくために、人工的な光や音を排除し、自然の景色や効果音だけを取り入れました。
その結果…どちらも繁盛しましたとさ(^^)
めでたし、めでたし。
考察
さて、もうお気付きかも知れませんが…
このお伽噺の、お爺さんの飯屋のような発展を遂げたのがアメリカの外食産業、お婆さんの飯屋のような発展を遂げたのが日本の外食産業だと僕は考えています。
味覚以外にも視覚と聴覚への満足度をカバーするように発展したアメリカと、味覚のみを深く追求するためにそれ以外を削ぎ落とすように発展した日本。
この違いが娯楽としての音楽文化に影響を与えていて、前述のライブの楽しみ方の違いになるんじゃないかと。
こういう娯楽の楽しみ方の違いは、国際化が進むに連れ、徐々に境界がなくなってきました。
と同時に、本来の目的がブレて、雑になってきている気もします。
例えば、個人的にラーメン屋や居酒屋のBGMでジャズが流れているのは、ちょっと苦手です(^^;)
完全に僕の主観で言えば、味に自信があるなら無音の方がいいです。
日本の伝統的な高級料理店に行くと、静かな日本庭園を眺めながら、鹿威しの音を聴きながら、高級食材を堪能するでしょう。
それが風流であり、伝統的な日本らしさであると思います。
また、メイド喫茶でのオムライスも、また違った形の立派な日本らしさだとも思います(^^)
まとめ
こうして僕は、アメリカにはアメリカの良さが、日本には日本の良さがあることを実感しました。
この僕の考察が正しいかどうかは分かりませんし、実は問題じゃないかもしれません。
考察すること自体に価値があり、そのきっかけを与えてくれる機会を自分で生み出せたことに自信を持ちたいです。
日本から離れてニューヨークで生活したからこそ考えたことは、もちろんこれだけではありません。
日本にずっと住んでいては気付かなかったことは沢山ありました。
だからこそ、自分が日本人であることに誇りを持って、日本の文化を大切にしようと心掛けています。
ということで!
異国の音楽のことを知識として知るだけでなく、実感として理解したい方は、ぜひ現地でしばらく生活してみることをオススメします。
きっと音楽だけでなく、それを取り囲む文化も含めて、その国のことを考え、理解するきっかけになるでしょう(^^)